「制約なく働ける人」が正解、の時代は終わる

マーケティングコラム

今日はちょっと個人的なお話から。

先月オットが骨折し、救急車を呼ぶことになりました。
骨を接ぐ手術を受け、入院、そして退院後も通院。
退院してからも車の運転ができないので、
あちこちの移動をサポートする必要があります。

当然、私の仕事の都合などお構いなしに、
いろんな予定が割り込んできます。
打ち合わせの調整、仕事のリスケジュール……。
自分のスケジュールを、自分の都合だけでは組み立てられないもどかしさを味わいました。

子育て中の親たちは、こんなことが日常茶飯事なのだろうと思うと、
本当に頭が下がります。
もちろん、介護をしながら働く人も同じです。

私は子どもがいないので、
働き方だけを見ればいわば「昭和の男性」と変わらない環境にいます。
残業もやろうと思えばいくらでもできます。

ただ、これまで、仕事でもプライベートでも、
多くの女性たちの話を聞き、子育て中のママたちとも接してきましたから、
大変さは十分理解しているつもりでした。

でも、今回の経験で思い知らされたのです。
「頭で理解することと、実際に体験することは、やっぱり違う」と。

大変なのは、時間を取られることだけではありません。

仕事に集中しているとき、突然、生活の課題が割り込んでくる。
仕事のことを考えていた頭をいったん脇に置き、
病院の予約や送迎の段取り、生活のあれこれに頭を切り替える。

しかも、仕事中眠らせていた「ライフの頭」を
起動するところから始めなければならないんですよね。
これが、思いのほかエネルギーを使うのです。

大人一人のサポートでも、これだけ大変。

子ども、それも複数の子どもを抱えながら働く人たちの負担は、
私が想像していた以上なのだろうと思います。

今回の出来事は、そんなことを改めて考えるきっかけになりました。

そして、企業の働き方についても。

子育てや介護、病気、不妊治療など、
さまざまな事情や制約を抱えながら働いている人は、決して少なくありません。
なかには職場に事情を伝えず、隠して働いている人もいます。

でも、私のように制約なく働ける人の働き方を「標準」とし、それに合わせられる人を高く評価する企業はまだまだ多い。
そんな企業は、これから立ち行かなくなるのではないでしょうか。
無理する働き方しかできない企業には、人も集まらなくなっていくでしょう。

女性活躍推進というと、女性の管理職を増やすことや、
研修を実施することに目が向きがちです。

でも、その前に必要なのは、
「誰かの制約を、本人の努力だけで乗り越えさせようとしていないか」
を見直すことだと思います。

制約がある人に、制約のない人と同じ働き方を求めるのではなく、
限られた時間や条件のなかでも力を発揮できる仕組みをつくる。

それは女性のためだけではありません。
誰もがいつか、働き方を変えざるを得ない状況になるかもしれないのですから。

今回のオットのケガは、
私にとって少し不自由な日々の始まりでしたが、
大切な気づきもくれました。

それぞれの事情があっても活躍できることを、企業の当たり前に。
そんな働き方を、一緒につくっていきたいですね。

 

 

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