久留米市商工観光労働部(久留米DMO)
モニター →ファンへと育成 →地元への還元
その場限りではもったいない 自然と持続していく最初の設計がキモ
課題
・40~60代女性への認知度アップ
福岡県久留米市の観光客誘致についてのご相談でした。久留米市の耳納北麓と呼ばれるエリアでは、観光客の8割が福岡都市圏の40~60代という調査結果がありました。ターゲットへの認知度アップとして、これまでも独自にSNS発信をしたりキャンペーンを実施するなど、様々に活動をしてきていましたが、直接ターゲットに刺さる施策にいまひとつたどり着けずにいるとのことでした。効果的で何か新しい提案をしてもらえないかというご相談をいただきました。
実施内容
アンバサダー組織/KURUMECONNEを結成
<概要>
・定期的に集まり、観光地や店舗・企業を訪問体験
・訪問した感想や意見の収集、その後各自でSNS発信
・最後に訪問先企業や地元の人を集めて報告会を実施 →メディア発信
KURUMECONNEとは「久留米に来んね~(来てね)」という意味です。40~60代のクチコミ発信力のある女性(主に福岡市在住)たちによるアンバサダー(モニター)組織をKURUMECONNEと名付けて結成しました。彼女たちに与えたミッションは二つ。ひとつは、参加の過程を含めたSNS発信による話題づくり、もうひとつは、モニター体験による意見収集と改善へのアイディア提供です。
▪単なる体験で終わらせない
活動では、単なる「モニター体験」で終わらないように心がけました。よくあるモニター活動は、シロウトの生の声を伝えるところで終わってしまいがちです。私たちは最後の報告会で、その生の声の裏側にある観光客の意識の解説や、出てきた意見と共に実現可能な改善提案までお伝えすることに心を砕きました。
成果
活動のたびにKURUMECONNEたちが発信する内容には、それぞれのフォロワーたちからコメントが次々と入り、「知らなかった」「今度行ってみる」など、ターゲットへの認知度アップにかなりの効果がありました。
報告会にはメディアの取材も入り、地元新聞にその模様が掲載されました。
▪地元の方からの声
報告会に参加した企業の方からも嬉しいコメントをいただきました。「お客様の声は自分たちでも拾えるけれど、来ない人の意見を聞くことはできなかったのでとても参考になった」と。訪問先の企業が一堂に会したことで観光地としての一体感も生まれ、一社ずつの頑張りだけでなく、全体として発信していく重要性にも気づいていただけたようです。
▪派生的にラジオ番組がスタート
また、副産物としてラジオ番組も始まりました。アンバサダーメンバーのひとりのフリーアナウンサーが、たまたま久留米のラジオ局で番組を担当することになり、せっかくなので「KURUMECONNE」をそのまま名乗ってもらうことにしました。番組にはアンバサダーとして訪問した企業やお店を次々に紹介してくれることになり、様々な相乗効果が生まれています。
この活動を始めた時に掲げた「持続可能性」という目標。せっかくの活動が尻切れトンボにならないように、モニター活動の影響が様々に派生するように設計しています。その思いが、ラジオ番組という形で実現することになった嬉しい出来事でした。