サンリオピューロランドV字回復の原因は「母の見守り」

マーケティングコラム

東京の多摩にある「サンリオピューロランド」の
V字回復が止まりません。

2014年に女性の小巻社長が就任してから
2018年度の入場者数は過去最高の200万人超
開園時よりも多く、ここ5年でほぼ倍増しているそう。

どんな剛腕社長かと思いきや、
10年以上の専業主婦を経ての社会復帰、
テーマパーク素人での社長就任だとかで驚きます。

V字回復の根底には「母親目線」が生きています。

就任前、久しぶりに訪れたピューロランドは
----
「全体的に暗い」「どんより」というのがぴったりなほど、
お客様が少ない、スタッフに笑顔がない。
レストランも活気がなくて、メニューも残念な状況。
壁なども壊れて修繕すべき箇所も多く、
グッズもオリジナリティがあまりなく
残念ながら魅力を感じられなかったのです。
-----

何よりも大切な社員の意識改革のためには
-----
お母さんが持つ『柔軟さ』や待つことに対する『寛容さ』が
とても大事だと思うのです。
頭ごなしに『ダメ』と怒るのではなく、
『やってくれたら嬉しいな』というコミュニケーションを
取ったりもします。
なるべく話しかける、表情を見る、後姿を見る、
そんな繰り返しからやってきました。
-----

また、『バックヤードこそピューロランドに』とも。

予算削減の中ではどうしてもお客様優先になりがち。
バックヤードは暗く、トイレは手が入れられず、
スタッフの意識までどんどん荒んでいきます。

そこで、バックヤードの壁紙はかわいくし、
スタッフ用のトイレのドアはピンクにし、照明もすてきにし、
社員たちが「会社は自分たちのことを考えてくれている」
と思えるようになると、業績もどんどん回復してきたのだそう。

ESアップこそがCSアップという好事例です。
一見手が付けられないような残念な組織でも(失礼!)、
意識改革することさえできれば、
こんなに大きく変革できるんだなと勇気が湧きますね。

そして小巻社長の手腕全てに通じる神髄は
”母親の見守り”にあるのかなと思います。

関連記事一覧