JAL新社長会見に見るマーケティングポイント ~atとの共通点

マーケティングコラム

先日嬉しいニュースがありました。
「JAL新社長に鳥取三津子氏が就任。CA出身で初、女性で初」

まず、個人的なのですが、
ナント、ご出身がうちの近所、出身校が実家近く、さらにママ友のご学友と
勝手に遠い知り合いのような親近感を抱いて見ていました。
(はい、まったく知り合いではありませんが 笑)

それはさておき。
JALが女性社長、CA出身と、その起用自体はもちろんですが
鳥取氏の実績と評価、今後の方針などが
まさにatの取組みとリンクする点が多く、とても嬉しく思いました。
第一に、「顧客視点」です。

「安全とサービスの2つが、私のキャリアそのもの」
と語られている通り、CAとして最前線でお客様に接し
直近では、23年4月からカスタマー・エクスペリエンス本部長
ブランドコミュニケーション担当を務め
同6月にはグループCCO(最高顧客責任者)も兼務。

会議で、議論が社内の論理で進みそうな時も
「本当にお客さまはそれを望んでいるのか」と指摘し
原点に立ち返らせてくれると経営層の中で
とても頼りにされていたといいます。

atマーケティングの根幹も「顧客視点」で
言わば「社外CCO」としてサポートしています。
時には企業の思惑と食い違うこともありますが
顧客が求めているものは何か?とお伝えしながら
より良いものをつくるのが私たちの役割だと思っています。

次に、「巻き込み型マネジメント」です。
「信頼できる仲間に支えられ、議論して、突破口を見つけるのが私のスタイル」
と話されたように周囲の力をうまく引き出す「巻き込み型」。

コロナ禍でフライトが激減した際は
CAたちのモチベーション維持と新たな知見を得られるよう
企業などへの出向を進めるという施策で乗り切りました。

そして、「人的資本経営」です。
「心から働きたくなる、一人ひとりの能力が発揮できる会社にできれば
必ずお客様に選ばれ、愛されるエアライングループになる」
人的資本経営そのもののです。

また、以前のインタビューでは
「女性の活躍を増やすには、本人が仕事にやりがいを見いだせるかどうか。
休職した後、職場に戻りやすい環境や制度の整備も重要ですし
職場の同僚や上司、経営トップの理解が不可欠です。
これは女性に限らず、一度退職した社員や、持病や障がいのある社員など、
あらゆる社員に共通する課題です」
と答えています。

さらに、今回の会見で、女性ならではの視点について問われ
「男性だから女性だからとは思っていない。自分らしくやっていきたい。
仲間たちと議論しながら突破口を見つけるというスタイルでやってきた。
自分のいいところは、自分にないものを持った人たちの力を引き出すこと」と。

ダイバーシティ、女性活躍を超え、インクルージョン、人的資本経営へ。

私たちもこれまで
「女性活躍は、人的資本経営の突破口に過ぎない。
人口オーナス期において、企業が継続的に価値を作っていく大切なプロセス」
とお伝えしてきましたので、まさに!という思いでした。

最後に、「社会貢献」「楽しい」。

「JALという会社は社会の役に立っている
先進的で楽しそうな会社だなと思ってもらえるように力を尽くしたい」
と、表明していましたが

「社会貢献」「楽しい」は、Z世代には欠かせないキーワードです

また、「楽しい」の主語は社内の人。
それが、外から「楽しそう」に見えるということ。

atの組織活性化ブランディングの在り方と
まったく同じである点も嬉しい発見でした。

ますます複雑化する事業環境の時代だからこそ
多様な人々を巻き込み能力を引き出す鳥取氏の「チーム経営」の手腕に
これからも注目したいですね。

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