吉野家と日経新聞の炎上から見える共通課題
ジェンダーやハラスメント問題で大炎上し、
経営的なリスクが高まることが増えていますね。
先日の牛丼チェーン吉野家の炎上事件、
皆さんはどう思われましたか?
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/909524/
そのわずか1週間ほど前にも、
日経新聞の全面広告が騒動になっていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/07da59823998e1a68ba2953820709c1fc1d50af2
きっとこれは氷山の一角であって、
似たようなことは日々起きているのだと思います。
そしてそれらの企業が共通で抱えている課題は
決裁権のある所、もしくは意見が言える所に
女性がいないことではないかと思うのです。
経営層に多様な視点がないために、
どんどん進化している世の中の多様性に
対応できなくなっているのでしょう。
私はこの日経新聞の問題広告を、
様々な年代の女性に見せて意見を聞きましたが
100%「気分悪い」「キモイ」と答えました。
「これを掲載することに反論がないのが不思議」とも。
これだけ総スカンを食らうのにも関わらず
社内の女性は反対しなかったのでしょうか。
それとも意見しても無視されていたのでしょうか。
どちらにしても、
企業としてのイメージダウンは計り知れず、
事前に食い止められなかったところに病巣があるようです。
しかも日経新聞は、
企業におけるジェンダー平等の実現のため
「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」を
推進していますから、ますます不信感は募ります。
吉野家も同じようなことだと思うのです。
オールドボーイズネットワークの中では
これまで許されてきた冗談も
時代が許さなくなっていることに本人が気付かないのは
周囲、つまりは風土のせいもあると思います。
国が旗を振ってもなかなか進まない
女性管理職者を増やすということは
実はこういうリスク回避の意味も大きいのだと
今回のことで理解が進んだらいいなと思います。
男性が育休をとって地域に出ていくことも
障がい者や外国人など多様な人材を採用することも
すべてがここに繋がってきます。
もうモノクロの世界だけでは企業は生きていません。
様々な角度からの視点がないと危険なのです。
女性の活躍とは、そのためでもあるんですよね。
それに繋がる興味深いデータを見つけました。
NHKの研究所が調べたものですが、
全てのTV番組でジェンダー比率を調べたものです。
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/domestic/pdf/20211001_1.pdf
出演者のうち女性は20代が圧倒的に多く
年齢が上がるにつれ減っていくのに対して
男性は40代が最も多く次は30代、50代となり、
あきらかに偏っています。
またこの後に行った別の調査では
「テレビに登場する男女の取り上げ方や描き方に
違和感があるか」という問いに対して
40~60代は「ない」が7割なのですが
10代20代は半数が「ある」と回答しています。
若者のテレビ離れは
ハードや時間の問題だけではないようです。
こんな風に、ジェンダー平等を取り入れられない業界は
どんどん支持を失っていくのではないでしょうか。
ところで、先の吉野家発言に対して
うちのスタッフの娘(女子高生)の発言が秀逸です。
「高い飯は別に男に奢ってもらわなくても
自分で払って食べるっつうの!!」