福岡市で実施予定のプラごみ分別回収:90%が「実施する」と回答 〜「効果の見える化」も要望〜

マーケティングコラム, 調査分析データ

【オフィスat 独自調査結果】

福岡市で実施予定のプラごみ分別回収:90%が「実施する」と回答

〜「効果の見える化」も要望〜

2022年4月よりプラスチック資源循環促進法が施行され、福岡市では今後市民へのプラごみ分別回収の実施が予定されています。オフィスatでは、福岡市での実施を前に、生活者がこのプラごみ分別回収実施をどう考えているかについて、意識調査を実施しました。

Q福岡市では今後プラごみの分別回収が実施される予定です。これに伴いプラごみ分別回収について、あなたの意見は以下どれに当てはまりますか?

プラごみ分別回収について、70%の人が「「大いに賛成」「賛成」と回答。一方で、25%が「どちらとも言えない」、5%が「反対」「大いに反対」と回答するなど、回収実施に懐疑的な意見もありました。

Qその理由を具体的にお聞かせください。

ー1:「大いに賛成」「賛成」と答えた人の理由

賛成はの理由は大半が、「「プラごみ分別は環境改善につながるから」と回答。他「プラスチックはリサイクルできるからしないのはもったいない」「福岡市がいまだ分別していないことに違和感があった」「資源の再利用につながる」といった声があがりました。

−2:「どちらとも言えない」「反対・大いに反対」と答えた人の理由

大半が、「分別の効果が解らないから」や「分別は面倒で大変だから」と答え、時間を割かなければならない作業である一方でその効果に疑問を持っていることが伺えます。

Qプラごみ分別が開始された場合、あなたの行動は次のどれに当てはまると思いますか?

90%以上の人が、「しっかり分別を実施する」「分別方法が今は不明だがなんとかやっていきたい」「最初は分別し忘れると思うが、徐々に実施できると思う」と回答。分別に否定的な意見は全体の4%にとどまり、大半が実施には賛同し、積極的に行動したいと考えていることがわかりました。

Qプラごみ分別の実施は、市民のエコ意識改革につながると思いますか?

74%の人が、「大いにつながる」「つながる」と回答。プラごみ分別回収の実施とエコ意識改革には関連性があると考えている一方で、26%の人が「どちらとも言えない」「つながらない」と答えています。

Qプラごみ問題の解決への課題は何だと思いますか?次のうち、当てはまるものを選択してください。(複数回答可)

74%の人が、「プラごみの実態や分別の効果が知られていないこと」を選択し、次いで46%の人が「提供側の脱プラが進んでいないこと」を選んでいます。実施する側だけでなく、提供側のプラスチック削減も同時進行であるべきだと考えていることが伺えます。また、「プラごみ分別だけで本質的なゴミ問題解決になるかわからない」を選択した人も全体の4割にのぼり、分別だけ実施すれば環境問題改善につながるとは思えないと考えている人もいます。「その他」の意見として、「分別しないことのそもそもの問題を“見える化”してほしい」「プラスチックは便利故にゼロにはできない、ならばプラスチックゴミの環境への負荷を市民が体感できる体験(気づき)が必要」といった声がありました。

Qコロナ禍の前と比べて、あなたご自身のエコ意識の高さはどう変わりましたか?

69%が「どちらともいえない」と回答し、31%が「とても高くなった・高くなった」と回答しました。

ー具体的にどのように意識や行動が変わったか教えてください。
:「どちらともいえない」方の回答

「変わる」という単語が最多頻出となり、いずれも「以前と変わらない」と回答しています。大半の人が、コロナ禍前からある程度エコを意識する生活を送っており、コロナ禍で意識に何か変化があったとは思わないものの、コロナ禍で在宅時間が増え、デリバリーや通販を利用することでゴミが「増えた」と感じている人が多いことがわかりました。

:「とても高くなった・高くなった」方の回答

上記の回答と同様、高くなったと回答した人も多くが「生活ゴミが増えた」と感じており、そのことから以前よりエコを意識するようになったと答えていました。また、コロナ禍で時間に余裕ができたことから「商品を選ぶ際に環境を意識したものを買うようになった」人や「外食をするかしないかでゴミの量の違いを実感できた」人など、コロナ禍で変化した生活様態がエコ意識をある程度高めていることも伺えます。

Q☆おまけクイズ☆日本は1人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量で、世界第何位でしょうか?
ー「5位、13位、2位、8位」の中から一つ答えてください。

正解の「2位」を選んだ人の割合は半数の51%でした。1位の米国に次ぐ、世界第2位のプラスチック排出国である日本。日本こそがプラスチックゴミの当事者であるという意識を高く持つ必要があり、その理解が、プラスチックの再利用や脱プラ化に取り組むための第一歩であると言えるかもしれません。

まとめ

  • 7割以上の人が、プラごみ分別を支持すると回答し、分別の実施が環境改善につながり、資源の再利用が必要だと考えています。一方で、分別実施の効果が不明な点や面倒さを理由に、3割近くがプラごみ分別実施に懐疑的でした。
  • 分別が実施されれば90%以上の人が、「しっかり・なんとか・徐々に」実施していくと思うと回答し、分別実施に肯定的な考えをもっています。
  • 分別実施に際しての課題として、7割がプラごみの実態や分別の効果をもっと「見える化」すべきだと考えている他、4割が提供側の脱プラ化も並行して進めていくべきだと考えています。分別実施だけでなく、プラスチック削減の実現のために、多方面からの施策が必要だと考えていることがわかりました。
  • 昨今のコロナ禍がエコ意識にどう影響したかの質問には、大半が「どちらともいえない」「変化はない」と回答。コロナ禍の生活様態の変化でほとんどの人がゴミ量の増減を感じながらも、エコ意識の変化は様々でした。
  • プラスチックゴミ排出量世界第2位のクイズ正解率が51%という結果から、プラスチックゴミ問題の現状への理解が課題であることがわかりました。

・調査期間:2022年1月20日~2月7日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:102名(福岡市民74.5%、福岡市以外25.5%)
 −性別内訳:女性84%、男性16%
 −年代別主な内訳:40代51%、50代31%、30代と60代が共に7%他

 ―職業別主な内訳:グラフ参照

・調査元:株式会社オフィスat

以上

関連記事一覧