朝ドラから見えるマーケティング戦略
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」終わっちゃいましたね。
カムカムロス、という方も多いのでは?
このドラマを見ていて
マーケターとして面白いなと思った点があります。
それは、ヒロインが3人もいたということ。
若くして戦争未亡人となった安子、
金の玉子ともてはやされた団塊世代のるい、
男女雇均法の中で就職したバブル世代のひなた。
3世代の女性の人生を描くことで、
昭和・平成・令和と100年の物語を紡いだのでした。
見ている人は、3人のうちの誰かと同世代で
感情移入しながら見たのではないでしょうか。
かくいう私も、ひなたとほぼ同世代なので、
「およげたいやきくん」が流行ったなとか、
私も似たような赤いカセットデッキ持ってたな、
などと懐かしく思いながら見ていました。
これまでも群像劇のドラマであれば
主役に加えて色んな登場人物がいて
それぞれに感情移入することはできました。
ただ、それは主役と同世代か、
そうでなくても同時代の人たちです。
今回は、まったく時代が異なるのが異例です。
戦中から戦後の女性の人生と、
戦後から高度成長期の女性の人生と、
バブル期から平成の女性の人生の3種類。
NHKのホームページには
「これは、すべての『私』の物語。」とあります。
3人のヒロインそれぞれだけでなく、
視聴者含めての『私』なのだと思われます。
様々なものが溢れている今の時代は、
自分に合ったものだけをチョイスしたいという
「個」の時代です。
NHKはこの朝ドラで、ターゲットを
ひとつの「個」に絞り込むのではなく
「個」+「個」+「個」にすることで
幅広い世代を取り込むという実験をしたのでしょう。
そうは言っても、50代以上だけよね、
という声が聞こえてきそうですが、いいんです。
先日のメルマガでも書きましたが、
現在の日本人の平均年齢は50歳ですから、
人口の半分をカバーすることになります。
朝の時間にテレビを見る層を考えると
ほとんどを網羅したのかも知れませんね。
実はもうひとつ話題になったことがありました。
それは「桃太郎伝説」
ご存じでしたか?
桃太郎といえば、最初の舞台が岡山。
雉(キジ)真繊維、黍(キビ)之丞、
るいの息子は桃太郎、何かあるなと思っても、
なかなか出てこない猿と犬。
ついに最終回に出てきたのです。
桃太郎が結婚して生まれた息子が剣(ケン・犬)
アメリカの親戚はジョージ(お猿の・・・)
ということでついに完結したと話題沸騰し、
Yahoo!ニュースにもなりましたw
https://news.yahoo.co.jp/articles/4d91dfc443aefb5523412abfde3e2775b33eb3d0
こういう伏線がいくつも張られていて
最終回にはそれらについて怒涛の「回収」が行われました。
話題をいくつも仕掛け視聴者を飽きさせないのも
複雑さが増した時代を反映しているようですね。
さて、
御社のマーケティングは時代に合ってますか?