デザイン思考 × マーケティング

マーケティング

ある自治体で「デザイン思考」の研修を担当する機会をいただきました。
担当者の方からひしひしと感じたのは、
「前例主義ではもう立ち行かなくなる」という危機感。

そもそもデザイン思考とは、
提供者側の論理で進めるのではなく、
利用者(ユーザー)の視点に立って課題を見つけ、
いきなりドーンではなく、小さな試作を繰り返しながら
解決策を磨いていくアプローチです。
これはまさに、私たちatが大切にしてきた
「マーケティングの姿勢」と同じなんです。

ところでこれ、何の数字かわかりますか?
電気46年、電話35年、カラーテレビ18年、携帯電話13年、インターネット7年。
発明してから国民(米)の25%が使うようになるまでに要した年数です。
発明から普及までのスピードはどんどん短くなっています。
社会の変化がいかに速いか実感できますよね。

そんなVUCAの時代には、
「仮説を立ててじっくり検証」という
従来型の進め方では後手に回りがちです。
だからこそ、現場で声を聴き、小さく試してみる柔軟さが欠かせません。

atでは、創業以来ずっと
「顧客の声を聴くこと」を大事にしてきました。
ただし単に“ウォンツ”を拾うだけではありません。
その奥にある“ニーズ”を掘り起こして初めて、
意味のあるマーケティング戦略が立てられると考えています。

これは商売に限らず、自治体の仕事でも同じこと。
単に市民の声に反応して対処しているだけだと、
どんどんサービスも工程も増えていき、
職員が疲弊していっていませんか?
職員数が減っていればなおさらですよね。

市民の声から、その奥にある本当のニーズを理解すれば、
必要のないサービスもたくさんあるのではないでしょうか。
(福岡県古賀市が「敬老祝い金」を全廃したように)
逆に本当に必要なものが生まれてくるのでは。
そのためにも「市民の真のニーズ」を掴む力が
重要になってきます。

そして、特にリーダー層にこそ
このデザイン思考を学んでほしいと感じます。
なぜなら、在籍が長くなればどうしても
経験や知識に頼ってしまいがちですが、
社会の変化が速い今、過去の成功体験が通用しないことも多々あります。

デザイン思考を取り入れて、部下や周囲と一緒に
課題を見つけまとめていくことが大事です。
今のリーダーに必要なのは、何でも知っていることではなく、
若手や女性を含む多様な人の意見を
フラットに謙虚に取り入れ、まとめ上げる力なのです。

デザイン思考とマーケティング。
この二つはこれからの不確実な時代を生き抜くための
“両輪”だと、改めて確信しています。

皆さんの組織でも、立ち止まって
「本当に必要なものは何か?」を考える時間を持ってみませんか?

 

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